ticker
小原木工の商品がこのサイトやネットショップでもお求めいただけます
少し前のことですが、椅子の修理依頼を頂きました。 30年程前に購入をしたもので、がたつきの補修・座面の生地の張替えをご希望されています。 赤色の座面2脚と緑色の座面2脚の計4脚。 前脚2本、後ろ脚1本の3本脚の椅子でしたので、おおよそ3角形の座面が座貫 (というのでしょうか?私も椅子の部位の名称は詳しくないもので・・・。すいません。)の上に乗っかっていました。 まずは座面を外すと裏面にはビニールの裏地が。 そこには【MADE IN ITALY】の文字 。 それぞれタッカー(工業用ホッチキス)で止めてあります。 座面の生地をはがしていきます。 座の基材は9mm厚みのパーティクルボード。 赤色座面の方には、貫と座を固定していたビスが貫通していた跡がありました。 (下の写真は表面=座る面です。) 緑色座面の貫の外側はパックリと割れていました。 割れていないパーティクルボードを基に12mmの合板で座の基材を作り、お持込頂いた生地で座面を張りなおしました。 均等に生地を伸ばし、引っ張りすぎず、緩すぎず。 微妙な調整が必要でした。 裏面には以前表面生地として使われていたものを張りました。(洗濯済みです。) もともと貼り付けてあったタッカー跡を切り取ったりしたもので、裏面はちょっとぎこちなくなってしまいました。 がたつきを直した椅子本体に取り付けて完成です。 椅子本体には?????と思うことがありました。 それは『イタリア製!?椅子修理(その2)本体編』へ
修理ご依頼の椅子本体へ取り掛かりました。 今回も大変勉強になりました。 背と後ろ脚が一体となった3本脚の椅子です。 前脚同士を幕板でつなげ、幕板から2本の座貫が後ろに伸び、背脚と接合された3本脚の構造です。 前脚と幕板は『ホゾ組』されていて、後ろに伸びた座貫は、背に取り付けるための板材で『ダボ組』されていました。 それらは4本のボルトで背脚と接合されていました。 がたつきの原因の一つは 『ホゾ』『ダボ』の緩みや抜けでした。 ホゾ・ダボの抜けはじわりじわりと力を加え、ホゾ・ダボを外し、接着剤をクリーニングして再度接合し組み立て直しました。 しかし、それだけではない致命的なものもありました。 題名の『イタリア製!?」と疑ったのはそのためです。 前脚部分を取り外すと背脚との接合面にひび割れが生じているものがありました。 ひどいものになると割れているものも。 ボルトを抜き取ると完全にわかれてしまったものも。 そこで驚いたのは・・・ ダボというものは本来木材の中に納まっていて、表面には出ていないものなのに、上の画像のダボは上半分が黒く塗装がかかっているところです。 そのうえ、割れの断面手前から5mm程度も黒の塗装がかかっています。 (15mm程度はうっすらと黒く染まっています。) また、ダボ穴とボルトの穴が貫通していているようにも見えます。 あくまでも推測ですが、すでにひび割れている状態で塗装をして、ボルトの締めつけに耐えられず、ひび割れ部分致命傷を与えたのではないか・・・と。 この部材はダボ組ではなくホゾ組みが良いのではとも思いました。 勉強になります。 椅子職人の知人にこのことを話すと 『イタリア製もピンからキリまであるからね。』とあっさりとした返答が。 今回は試行錯誤しながらまた、接合方法の適用を考えさせてもらいました。 ちょっと時間はかかってしまいましたが、無事修理を終え、納めさせていただきました。 この経験を生かして『質実貢献』できるように努めていきたいと改めて思いました。 ありがとうございました。
少し前のことですが、椅子の修理依頼を頂きました。 30年程前に購入をしたもので、がたつきの補修・座面の生地の張替えをご希望されています。 赤色の座面2脚と緑色の座面2脚の計4脚。 前脚2本、後ろ脚1本の3本脚の椅子でしたので、おおよそ3角形の座面が座貫 (というのでしょうか?私も椅子の部位の名称は詳しくないもので・・・。すいません。)の上に乗っかっていました。 まずは座面を外すと裏面にはビニールの裏地が。 そこには【MADE IN ITALY】の文字 。 それぞれタッカー(工業用ホッチキス)で止めてあります。 座面の生地をはがしていきます。 座の基材は9mm厚みのパーティクルボード。 赤色座面の方には、貫と座を固定していたビスが貫通していた跡がありました。 (下の写真は表面=座る面です。) 緑色座面の貫の外側はパックリと割れていました。 割れていないパーティクルボードを基に12mmの合板で座の基材を作り、お持込頂いた生地で座面を張りなおしました。 均等に生地を伸ばし、引っ張りすぎず、緩すぎず。 微妙な調整が必要でした。 裏面には以前表面生地として使われていたものを張りました。(洗濯済みです。) もともと貼り付けてあったタッカー跡を切り取ったりしたもので、裏面はちょっとぎこちなくなってしまいました。 がたつきを直した椅子本体に取り付けて完成です。 椅子本体には?????と思うことがありました。 それは『イタリア製!?椅子修理(その2)本体編』へ
修理ご依頼の椅子本体へ取り掛かりました。 今回も大変勉強になりました。 背と後ろ脚が一体となった3本脚の椅子です。 前脚同士を幕板でつなげ、幕板から2本の座貫が後ろに伸び、背脚と接合された3本脚の構造です。 前脚と幕板は『ホゾ組』されていて、後ろに伸びた座貫は、背に取り付けるための板材で『ダボ組』されていました。 それらは4本のボルトで背脚と接合されていました。 がたつきの原因の一つは 『ホゾ』『ダボ』の緩みや抜けでした。 ホゾ・ダボの抜けはじわりじわりと力を加え、ホゾ・ダボを外し、接着剤をクリーニングして再度接合し組み立て直しました。 しかし、それだけではない致命的なものもありました。 題名の『イタリア製!?」と疑ったのはそのためです。 前脚部分を取り外すと背脚との接合面にひび割れが生じているものがありました。 ひどいものになると割れているものも。 ボルトを抜き取ると完全にわかれてしまったものも。 そこで驚いたのは・・・ ダボというものは本来木材の中に納まっていて、表面には出ていないものなのに、上の画像のダボは上半分が黒く塗装がかかっているところです。 そのうえ、割れの断面手前から5mm程度も黒の塗装がかかっています。 (15mm程度はうっすらと黒く染まっています。) また、ダボ穴とボルトの穴が貫通していているようにも見えます。 あくまでも推測ですが、すでにひび割れている状態で塗装をして、ボルトの締めつけに耐えられず、ひび割れ部分致命傷を与えたのではないか・・・と。 この部材はダボ組ではなくホゾ組みが良いのではとも思いました。 勉強になります。 椅子職人の知人にこのことを話すと 『イタリア製もピンからキリまであるからね。』とあっさりとした返答が。 今回は試行錯誤しながらまた、接合方法の適用を考えさせてもらいました。 ちょっと時間はかかってしまいましたが、無事修理を終え、納めさせていただきました。 この経験を生かして『質実貢献』できるように努めていきたいと改めて思いました。 ありがとうございました。